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『Mask of Sanity』 CDライナー解説(2)
広瀬和生/BURRN!
ラインナップも安定して順調に活動を進めていたSINNERに再び転機が訪れたのは1997年のことだ。1994年にGAMMA RAYから脱退したラルフ・シーパース
マットがベーシストとバック・ヴォーカルに専念してラルフがリード・ヴォーカルを担当するPRIMAL FEARは、ステファン・レイビング
1999年、SAXONに加入するためフリッツ・ランドウがSINNERから脱退。SINNERは当時HELLOWEENのウリ・カッシュをゲスト・ドラマーに迎えて新作のレコーディングに入る。トム・ナウマンの後任に元THUNDERHEADのヘニー・ウォルター
PRIMAL FEARは折からの欧州での正統派メタル/メロディック・パワー・メタルの盛り上がりの中で支持を集め、順調な活動ぶりを示していく。となると、必然的にSINNERに費やされる時間が少なくなっていくのは仕方の無いことだろう。2001年に予定されていたSINNERのレコーディングは延期され、PRIMAL FEARはツアー後すぐさま4th「BLACK SUN」の制作に入り、同作は2002年にリリースされる。このSINNERが動かない時期にアレックス・バイロットは、D.C.クーパー
2002年にはトム・ナウマンの健康問題も解決して、彼がSINNERに復帰してトムとヘニーのツイン・ギターによるSINNERの13th「THERE WILL BE EXECUTION」(ここでフリッツ・ランドウもSINNERに復帰した)が2003年にリリースされると、ヘニーはSINNERに専念することになり、トム・ナウマンはPRIMAL FEARにも復帰した。その、トムが復帰したPRIMAL FEARは、ツアー中にドラマーが元ANNIHILATORのランディ・ブラックに交代し、5th「DEVIL'S GROUND」を2004年にリリース。欧州のプレスで絶賛された同アルバムは見事なセールスを記録し、PRIMAL FEARはシーンで確固たる地位を築く。そして2005年に最新作の6th「SEVEN SEALS」をリリースしたのである。
…というわけで、ようやく本作に辿りつく。2006年後半、PRIMAL FEARの活動が一段落した時に、ようやくマットはSINNERの新作に取り組む時間を持つことが出来たのだ。マット自身、久々のSINNERの新作ということで「SINNERの魅力の総てを結集したアルバム」を作ることを目指したという今回の14th「MASK OF SANITY」は、まさにSINNERが放つ最高傑作である、と僕は思う。なお、今のSINNERのラインナップには、PRIMAL FEARを脱退しているクラウス・シュペリング
その他、ゲスト・ミュージシャンとしてラルフ・シーパース、MYSTIC PROPHECYのマーティン・グリム
なお、本作のブックレットには「In memory of my brother」と記されているが、マット・シナーにとって2006年は、長く離れていた子供達が戻ってきた幸福な年でもあった反面、高名な政治家であり勲章も持っていたという兄が心臓発作で亡くなるという悲しい年でもあったという。13歳の1人息子を残して逝った愛する兄にこの大切なアルバムを捧げたい…そんなマットの気持が、このコメントには込められている。
高い人気を得ているPRIMAL FEARが長い休止期間を持つことはあり得ないわけで、事実2007年に入ると早々にPRIMAL FEARの新作のレコーディングに取り組むという話も伝わってきているが、マットによれば、今後はSINNERもあまり長い休止状態に陥らないように、活発に動いていくつもりだという。SINNERのファンにとっては嬉しい限りだ。何しろ、本作のように見事な作品を生み出せるのは、SINNERを置いて他にはないのだから。
日時: 2006年12月27日 17:00
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